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劇団バナナと「ほんのもり」

 劇団バナナは劇場をもたない劇団で、公演する場所も地域も特にこだわりなく、風の精ウィンディーのように気ままに日本全国駆け回ってきました。都内はもちろん、福岡でも5回くらい公演し、最近では台湾や北京にも足をのばしております。私自身、もともと旅行が大好きで、学生の時は演劇もしていたけれど、長期休みになるとふらふらと海外旅行へでかけていました。ホテルに泊まるのでもなく、バックパック背負ってユースホステルというわけでもなく、ひたすら海外の友達の実家をたずね歩くというスタイル。イタリア、スペイン、モロッコ、フィンランド、スイス。どこにでも行きました。その土地で現地の人に混ざって生活するのが本当に楽しくて、旅から多くのことを学びました。そんなわけで旅をしながら、その土地土地で演劇するというのは私には好きなものを詰め込んだ理想的な形です。


 そんな私ですが、今、「地元愛」が止まらない!!!それは去年の10月に自宅から徒歩3分のところに「喫茶室ほんのもり」ができてからです。


 ある時、スーパーへ行こうといつもの道を通っていたら、以前老人のデイサービスが入っていた店舗が空っぽになって、中で青年達4人が家具を組み立てていました。何だろうと思って外からのぞいていたら、中から坊主のお兄さんが出てきて、「ここに喫茶室を作ります」と。みるとIKEAで買って来たばかりのような子ども向けおもちゃも。「ふーん、子連れで来ていい場所なのね。」というわけで早速、二日後ぐらいに娘達を連れて遊びにいくことに。入場料大人200円、小学生100円。(現在はドリンク制になってます)喫茶室?フリースペース?一般のカフェにしてはお店の人や他のお客さんとの距離感が近い感じで、最初の1、2回はそわそわ。過ごし方がわからなーい。この過ごし方、あってる?みたいな感じ。笑。でも子どもたちは興味津々で、すぐお兄さん達と遊びだして、私もそんな姿を見ながら久々にゆっくり本が読めたり。なんか児童館よりいいじゃない!?話をしてみると青年達はみんな早稲田大学の出身で、大学で学んだことを実践に移すために「ほんのもり」をゆるりと始めたそうな。とはいえ聞いてみたら家賃は高いし、運営大丈夫なの?と主婦的には気になることばかり。


 そんなわけで運営が心配なのと、居心地の良さで足しげく通ううちに、三姉妹(7歳、5歳、1歳)子どもたちの放課後がキラキラと充実してきたのです。異年齢の兄妹をもつ親はいつもどこで遊ばせようか迷う所ですが、ここではそれぞれが自由に好きなこと、興味あることができるのでとってもありがたいです。1歳児は猫を追いかけたり、枯れ葉をほうきで掃いたり。5歳児はお兄さんに登ったり、友達を作って外で追いかけっこしたり。7歳はチェスをならったり、縄跳びをしたり。ママ達はお茶をのみながら地域の情報交換。そして子どもたちが遊ぶようになった広場にゴミが落ちているのが気になりだし、清掃活動を始め、それが美化活動、緑化活動へと発展するようになりました。花を植えたり、野菜の種をまいたり、今は藍の種をまいていて、そのうち広場で藍染めなんかできたら素敵だなぁと思っています。

 

 ここで起きていることはまさに「まちづくり」。行政から始まるトップダウンの街づくりではなく、市民一人一人の想いからはじまる、「草の根のまちづくり」だと思います。今、居場所ができて、私ははじめて”この街にいきている””私たちが住みたい街つくるのだ”という意識を持つようになりました。


 そんな大好きな場所を盛り上げるために劇団バナナも過去二回、前の広場で公演をしました。クリスマスイブに「ふしぎのくにのバナナ〜クリスマススペシャル〜」を、そしてついこの間ゴールデンウィークの最終日に「ブーの森〜謎解き編〜」を。調布市民だけでなく、毎回、都内各地からたくさんのファミリーが訪れてくれました。次回は7月7日に新作「スカイ&エスター船上の対決」の発表を予定しています。


 そして念願のbabyクラスの場所に選んだのも「ほんのもり」。「1歳〜3歳の子達と何か楽しいことをしたい!」と考えた時に、どうしてもビルの中の室内で、というのは違和感があって。。。かといって屋外だけだと蚊や暑さや雨などの心配もあり。ここは安全な広場にすぐアクセスできる快適な室内。小さな赤ちゃん連れのママにも安心です。集中と発散をちりばめて充実した45分になること間違いなし。また、クラスが終わった後は喫茶になるので自由に持ってきたお弁当を食べたり、ドリンクを注文していただくこともできます。仲良くなった子どもたちで自由遊びをしながら、ママ達も交流できて、なんだかすでに新しいコミュニティーができる予感がしています。クラスは45分間ですが、参加者一人一人にとって、それ以上の豊かな実りをもたらすbabyクラスになればなぁと願っています。





ニューヨーク時代に長女と通っていたSt.Vartan Preschoolです。このクラスのイメージが理想に近いです!

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