Philosophy

劇団バナナの成り立ち

​ 長女が一歳の時にニューヨークで「劇団バナナ」をつくりました。

子どもが生まれて、あらためて子どもを演劇のある環境で育てたいと思ったのがきっかけです。

私は小さい頃から本が身近にあり、物語や空想の世界で遊ぶのが大好き。

中学生になってからは演劇部に入り、演じるということがいつも日常の延長にありました。高校生、大学生でも素人ながらミュージカルやオペラの舞台に立ってきました。演劇は今も昔も私になくてはならないものです。

 大学では「劇団虹」という、ボランティアで老人施設や幼稚園を訪問するミュージカル劇団を立ち上げ、活動をはじめました。自分なりに見つけた”大好きなモノ”と”社会”とが交わる場所でした。劇団虹の活動を通して、演劇や音楽には空気をかきまわす圧倒的な力があることに気づきました。表情があまりないお年寄りが笑顔になってくれたり、子ども達が想像力を使って生き生きと元気になる。タイでの海外公演も経て、文化の違いすら越える力が、演劇にはあるということを確信しました。

 

 

 卒業論文で「世界平和のための演劇」という論文を書き、国際基督教大学を2004年の春に卒業しました。大学卒業後はその演劇がもつ力の原理を知りたくて、演出家である奈良橋陽子さんが主宰する演劇学校United Performer's Studioに通いました。ここ学んだことはアートに関わる重要な秘密。一生の体験でした。その後、その「本物」を世界に広げていくにはどうしたらいいのだろう?と考え、たまたま大学の友人に誘われたのをきっかけに、TBSで子ども番組の制作の仕事を始めました。映像の仕事は演劇とは似ているようで全く違い、毎日新しいことを学び、充実していましたが、どんどん演劇とは離れていってしまいました。その後、大恋愛の末(?)結婚。夫が海外駐在をしていたワシントンDCで暮らし始めます。その時に出会ったのがベセスダという街にあるImagination Stageという演劇NPO法人でした。ここには劇場があり、子ども向けの演劇クラスがいくつも開催され、日本でイメージする「演劇」とは全く違った世界がありました。将来、こんな組織を日本にも創れたらなぁと思いつつ、当時妊娠5ヶ月だった私は、ひとまず子どもが生まれたら何かできることを始めようと決意したわけです。やっと、冒頭につながりましたね!​それからのストーリーはここにつながります。

 私にとってお芝居は「お金を稼ぐ手段」でもないし、かといって「趣味」でもありません。これで稼げなくても、これでお金をいただいたとしても、変わることなく続けるライフワークであり、呼吸と同じようなもの。感じて、創って、発表して、お客さんが笑顔になってくれたら今はそれがとても嬉しい。同じ時間、同じ空間にいて笑い合う。それは平和の原点ではないかと思うのです。そして、自分の「好き」と「得意」と「必要とされるもの」の三つが交わる場所です。このような経緯で生まれ、継続している劇団バナナです。

劇団バナナ主宰

​草野七瀬

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